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2023.04.10
中小企業やスタートアップ企業が、中長期的に持続可能なビジネスを行うためには売上高の拡大だけではなく、利益率を高めていくことが不可欠です。しかし実際、経営者の方とお話をすると売上はしっかりと管理されているが、利益率とその原因までしっかりと把握し、分析されていない場合が多いと感じることも多くあります。
もちろん大企業と比較して資金や人員が限られてしまうため、利益率を上げることは簡単なことではありません。一方、日頃から経営者として意識したいポイントは明確なのでその点について3つの観点からご紹介します。
中小企業やスタートアップ企業では事業の運転資金が限られているため、コストに対する意識を持つことは非常に重要です。まず基本として持ちたい意識は、「自社にとって大きなコストがどこにあるのか」についての把握です。
例えば社員数に比べて過大なオフィスとなっていないか、在庫のあるビジネスであれば過剰感や欠品が発生していないか、また外部委託人材やプロモーション費用の売上に占めるコスト、販売・受注コストなど、自社にとって大きなウェイトを占める費用がどこにあるのかは定期的に確認しなくてはいけません。
また当たり前ではありますが、無駄なコストがあればしっかりと削減するよにすることが重要です。
利益率を高めるためには、自社の商品やサービスに価値を感じてもらえる人に確実に届けることが重要です。そのため、以下3つのポイントをしっかりと意識した商品・サービス戦略の設計が重要です。
(競合との差別化の重要性についてはコチラに記載していますので、よろしかったら後ほどご覧ください)
例えば、自分の好きな「ラーメン二郎」系。(※ 二郎以外も好きなので、敢えて「系」をつけました)
インスパイア系もたくさん出店されており、「二郎系」として一つのジャンルとして確立されている稀有なカテゴリだと思っています。
というのも通常であれば、とんこつ、とんこつ醤油、魚介、塩など味ベースでのスタイルですが、「二郎系」はというと、どんぶりいっぱいのドカ盛と独特なオーダースタイルが一括りとなってのカテゴリとなっているからです。
ここまで強烈なブランディングができているのも商品戦略が明確だからです。
(※)出典:総務省統計局「令和3年経済センサス」
(最近は、一人で食べに来る女性客も増えているそうですね)
「ジロリアン」という言葉がある通りお客様も通うことで優越感も持てるファンづくりも広告をせずとも実現
さらにいうと多店舗化による小麦原価仕入れやスケールメリットもしっかりと活かしていると推測されます。
計画・実行・評価・改善を続けることを、それぞれの英語の頭文字をとって「PDCA(ピーディーシーエー)サイクル」といいます。PDCAサイクルを回すことで、企業は継続的な改善を実現し、競争力を維持することができます。
今回のテーマである収益率改善へのPDCAサイクルの活用方法として以下のようなことを念頭に進めることをお勧めします。
・売上を増やす方法の検討
・市場の検討
・ターゲットの選定
・競合差別化ポイントの発見
・コスト削減策の検討
・マーケティング戦略の検討 など
・戦略に沿った市場・ターゲットへの製品・サービス提供の実施
・コスト削減策の実行 など
・計画した目標(売上・獲得した新規顧客数・利益率・原価など)と実績の比較 など
・売上や新規顧客数が伸びなかった場合はマーケティング戦略の改善
・コスト削減策の見直し など
以上の3つのポイントは、中小企業が利益率を高めるために意識が必須なことです。中小企業は、資金や人員が限られているため、これらの取り組みを実践することの効果はとても大きいものになるでしょう。