企業理念を持たない企業は、なぜ競争に勝てないのか?

企業理念を持たない企業は、なぜ競争に勝てないのか?

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2023.04.06

企業理念と聞いて、中小企業やスタートアップ企業の経営者の方の中には「まだ、うちには早いよ」とおっしゃる方もいるかもしれません。しかし、企業理念は出来れば会社を創出する前、遅くとも認知が広がってきた段階で作っておくべき、ビジネスに欠かせないもっとも重要な要素です。本記事では企業理念がなぜ重要であるか、そしてその理念が企業の成功にどのような影響を与えるのかについて解説します。

 

企業理念の重要性

企業理念とは、企業や経営者の目指す方向性や想いを示すもので、顧客や取引先だけでなく、従業員など自社に関わる全ての人々に対して、自社がどのような存在であるかを伝えるものです。

 

影響範囲として社内であれば、求人で集まってくる人材の質や量のほか、社員の考え方など企業文化に大きく関係してくるでしょう。理念を設定することで、経営者と従業員の間で目標や価値観が共有され、同じ方向に向かって事業を推進できるようになります。

一方企業理念が明確に決まっていない、また理念は掲げているけれどよく意味がわからない・ぼんやりしているもの、形式だけのものでは経営者や社員がいくら頑張っても、走る方向がバラバラで効果が出ないなんてことも。(本当によくあるお話で、ご相談を受けます)

 

コモディティ化した世の中と企業理念のない企業の危険性

コモディティ化とは「製品やサービスが性能・品質・創造性・ブランド力など大差がなくなり、顧客からみて『どの会社の製品やサービスも似たようなもの』に見えるようになった状況」をいいます。

 

今の世の中では、よほどの先進的な技術や特許を保有していない限りほとんどの場合、製品やサービス自体で差別化することはとても難しいです。

例えば洗剤や歯磨き粉などの日用品、BtoB企業でいえば営業代行や制作企業などを想像してもらうとイメージがしやすいかと思います。

 

そのようなときに、企業がしっかりと進むべき方向を明示することで、差別化の要素となるのが企業理念です。経営者や社員が理念をしっかりと理解した上で行動することで、顧客や取引先にとって自社への信頼感や愛着が高まり、結果として継続的な売り上げや取引につながります。このように企業理念はブランディングにつながり、同業種であっても企業ごとの独自性と価値へとつながっていきます。

 

企業理念が企業の成功に与える影響

企業理念が現実的な企業の成功にどのような影響を与えるか、4つの視点からまとめてみました。

 

1.従業員や求職者の行動につながる

経営者と従業員が目指すべき方向を共有することで、全員が「企業が重視する価値観」を理解し、行動することができます。従業員は理念に共感することで、仕事をする際も「その行動が理念に沿ったものか判断するようになります。

また、求人に応募してくる人材も理念に共感した人材が集まるようになります。

結果として全員の目指すべき方向が定まり、モチベーションが高まることで、生産性が向上し、企業の業績アップにつながります。

 

2.顧客との信頼関係の構築につながる

企業理念は、顧客に企業の姿を明確に伝えることができます。顧客が企業理念(とそれを実践していること)に共感することで、その企業に対する信頼感や愛着が生まれます。そして、信頼関係が構築されることで、顧客はその企業の商品やサービスを利用し続け、さらに口コミや紹介を通じて新たな顧客を獲得する良い循環が生まれます。

 

3.経営者の判断軸をつくる

企業理念は企業の方向性や目標を示すもので、経営者自身が判断をする際の基準となります。経営者が理念に基づいた経営を行うことで社員は経営者を信頼し、同じ方向に進む原動力となります。その結果、企業は長期的な発展を遂げることができます。

 

反対に、一部の政治家にみられるような「守られない公約」ばかりしていては、投票したくなくなるのと同じで、経営者自らが実践しない形ばかりの理念では、従業員も会社についていこうという気持ちもなくなるので、しっかりと今一度自己点検をしていきましょう。

 

4.社会的責任を果たすことができる

企業が社会的責任を果たすことができる理念を持つことで、社会的にも貢献することができます。社会的貢献が企業の信頼性を高め、社会からの評価を得ることができます。

 

例えば、アウトドアセレクトショップのパタゴニアは、「地球を救うためにビジネスを営む」という企業理念をもっています。環境保護を企業理念として掲げ、商品や事業活動において環境負荷を減らす取り組みを続けています。その取り組みは顧客からの支持を得るだけでなく、社会的な信頼性を高めた結果、企業価値はおよそ4,300億円にも達しています。

 

まとめ

企業理念は企業にとって欠かせない要素の一つで、ブランディングに大きく関わってきます。その設定作業は簡単ではありませんが重要性を考えると、必ず取り組むべき早期の課題ということが伝われば幸いです。

また企業が理念を設定する際には、従業員や顧客など関係者からの意見をしっかりと取り入れることが大切です。そして理念を明示した後は、その理念を実現するための行動や取り組みを行い、従業員と共有していきましょう。

 

中小企業やスタートアップ企業は商品の差別化が難しいにも関わらず、競合他社との差別化が求められる時代に生きています。そのため、企業理念を明確し、実践することこそ、成功への近道となるでしょう。

 

今回のブログで、企業理念の重要性について説明しました。中小企業の経営者やブランド担当者、スタートアップ企業の経営者やブランド担当者の方々にとって、参考になる情報が提供できたことを願っています。

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